震災で加速する“モノづくり”の中国シフト――岐路に立たされる日本の町工場

震災で加速する“モノづくり”の中国シフト――岐路に立たされる日本の町工場
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/diamond-20110510-008/1.htm

4月半ば、首都圏の町工場は“余震”に煽られていた。「あいにく、社長は外出中で…」、筆者が掛ける電話口ではそんな応対が相次いだ。震災の影響等で、製品の原材料などの入荷状況に目処が立たず、どこの社長も客先への対応で東奔西走。いわゆるサプライチェーンが寸断されて大混乱と言った様子が伝わってくる。

 同時に、水面下では中国シフトが始まっている。2010年から本格化した第4次中国進出ブームも、3月11日以降、その動きをピタリと止めた。が、震災から1ヵ月を経て見えてきたのは、むしろその加速である。

 この震災でどの町工場も教訓としたのは、部品調達を国内に過度に依存していたということだった。「社長は今、上海出張中で…」、埼玉県のスプリングメーカーからはそんな応対もあった。電話に出たのは専務である妻、社長である夫は最近中国に設けた拠点に張り付いているという。

 地震直後の14日、上海の地元紙が日本のメディアに先んじて報道したのは、基幹部品のサプライチェーンの寸断だった。例えば、フォックスコン(世界最大のEMS企業)でも、日本から落ちてきた多機能型携帯電話の生産受注を奪い取ろうと鵜の目鷹の目、中国企業の全体が特需にあやかろうと受注の奪い合いを展開している。